大学生の人生相談

新学期が始まってから、早いもので2ヶ月が過ぎましたね。大学の授業(春学期・前期)は、ちょうど折り返し地点です。毎年新しい学生さんと出会えるのは楽しみ半分、ドキドキ半分です。新年度は、学生さんも新しい環境で慣れないと思いますが、教員側もなんとなく緊張してしまいます。徐々にお顔とお名前が一致したり、声をかけてくれる学生さんが出て来て、自分が担当しているクラスだということを、ようやく実感できるのがこの時期です。

 

そんな心境なので、新年度始まって2ヶ月ほどのこの時期までは、昨年度までの学生さんに偶然会うと、なんだかほっとするものです。

 

2週間前のこと。授業が終わって、建物の入り口付近に学生さんたちが集まっていたので、誰か知っている方がいるかも…と思って顔を見たら、3年前に授業を担当した4年生の方が…。比較的よく学内で会う方なので、気楽に「元気!じゃあね」と挨拶だけのつもりで声をかけたら、腕を捕まれて…

 

「先生、至急、人生相談があるんだけど」

 

と必死な形相で言われました。

 

立ち話をすること1時間。お話を聞いたところ、詳しい内容はここには書くことはできませんが、どちらかを選び取らなければならないというお悩みでした。大学4年生と言えば、就職その他の進路のことで、選択を迫られ、判断に困ることも多いと思います。

 

もう大人なので、自分で判断するというケースが多いかと思いますが、どうしても自分だけでは判断できないこともあるのではないでしょうか?

 

大学生の進路ともなると、お友達やご家族に相談しようがないこともあるものです。そんな時は、私に声をかけてくださった学生さんのように、授業を担当していた教員に話をするのも、一つの方法だと思います。その相談に直接的に応じられなくとも、いくつかの方法を一緒に考えることはできると思います。

 

その一方で、ちょっと違った考え方もしてもいいのでは?と思っています。それは、数ある選択肢の中で、一つを選び取らなければならない場合、はたして一つを選ぶことが正しい選択なのか、考え直してみるということです。例えば、第一志望の会社と第二志望の会社の面接がバッティングしてしまった場合、泣く泣く第二志望の会社の面接を諦めるのか。それとも、企業側に事情を話して交渉するのか。どれが正解ということはないですが、もし二兎を追えたらベストですよね?選択を狭める前に、自分がどうしたいのか、納得いくまで自分と対話をして気持ちを確かめた上で、一番後悔しない方法を選べばよいのではないでしょうか。

 

私に相談してくださった学生さんは、自分でできることをやった上で相談してくださったので、私がしたのは、背中を強く押すことくらいでした。こういった「立ち話」が、少しでも自信を持って、安心して前に進む原動力になれば、嬉しいです。