誰に対しても、年相応に接するということ

昨日は、子どもの習い事があり、親として付き添いをしていました。練習の後、普段であればすぐに帰るのですが、珍しく母親同士で立ち話をしていたら、ずいぶん話し込んでしまいました(何と1時間も…)。話の内容の詳細は書くことは控えますが、お悩み相談含め、すごく真面目な話をしました。その時に、とても大切なことを教えていただいたので、それについて書きたいと思います。

 

ある方のお子さんは、発達障害を持っているので、特別支援学級に通っています。その方によると、発達障害を持ったお子さんは、友達や先生、他人との距離の取り方を状況から掴んでいくのが苦手なお子さんが多いとのことでした。

 

その方によると、発達障害を抱えた子が、距離の取り方が苦手になってしまう一因として、学校の先生が、発達障害を持っている子どもに接する時の、スキンシップの仕方も関係していることを指摘されていました。具体的には、小学校3年生以上の子に対しても、次のような接し方をすることだと、教えてくださいました。

 

*四六時中、手をつなぐ。

*(幼児が泣いているときにするように)、すぐにギュッと、ハグをする。

*「よく頑張ったね~えらいね~、よしよし」といって、頻回に頭をなでる。

 

ここでは、たとえ話で考えてみたいと思います。小学校5年生の発達障害を抱えているお子さんがいるとします。その子は、不安なことがあると、パニックになってしまい、3~4歳くらいの子どものように、ワンワンと泣いてしまうとします。その時に、先生や支援員の方は、「まず落ち着かせなければ」と思って、とっさに、その子をギュッとハグをするという対応をするということが考えられます。私がその場にいる教員だとしたら、おそらく同じようなことをしてしまうと思います。

 

しかし、冷静になってよく考えてみたら、いくら3~4才くらいの子のように、ワンワンと泣いてしまったとしても、その子は小学校5年生なのです。その行動が、幼児のようだとしても、その子の実年齢は11歳だということを、どうしても忘れてしまいがちなのです。特に、相手との関係性や状況によって、人との距離の取り方を変えることが苦手な子にとって、いつまでも幼い子のように扱われていると、自分はそれでいいのだと思ってしまい、いつまでも、小さい子のように振舞ってしまうということです。

 

そのお話を聞いて、子どもの行動、つまり外見で判断してしまい、その子の年相応のコミュニケーションの仕方を教えてあげないことが、結果的に、発達障害を持った子を苦しめてしまうということを学びました。このことは、学校の教員や支援員といった、発達障害の子どもと接する機会が多い方はもちろんですが、大人・子ども問わずすべての人が、ぜひ知っておくべきことではないかと思いました。

 

そもそも、よく考えてみれば、上記の話は、発達障害の子だからということではなく、人を外見だけで判断してしまっている事例だと思います。ちょっと悲しいですが、人間というのは、他者を外見で判断しがちな生きものなのですね。

 

ですが、外見で判断してしまうことをダメだと責めるよりは、他者を外見で判断しがちであることを認めた上で、たとえ行動が幼くても、年相応の接し方をしていこうと意識することが大事だと思いました。その関わり方を、一人一人が考えることが、発達障害を持った子どもにとって、より社会へ適応しやすくなる一つのステップになると思います。

 

「道徳の授業で扱ったらいいテーマだな」と思ってしまいました。職業病ですね(^-^;