「大学生の人生相談」の顛末

当ブログで、これまで2回にわたってお伝えした「学生の人生相談」ですが、一昨日、偶然大学で会うことができ、その顛末を知ることができました。

 

tachibanashi.hateblo.jp

 

 

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 その中で、「「よく粘られましたね。お疲れ様でした」と声をかけたいと思っています」と書きましたが、私がまず発した一言は…

 

「ちょっとー。すごく心配したよ!」

 

でした。思わず本音が出てしまったかもしれません。

 

さて、どうして、二兎を追えなかったのかを詳しく聞いたところ、「先方(仮にAとします)に迷惑をかけてしまうので、週末までにお返事を下さい」と、もう片方の相手(仮にBとします)にお願いしたところ、その日になってもBから返答がなかったので、仕方がなく、Aに対してお断りの連絡をしたそうです。A側から、「こちらも、大変残念です調整できず申し訳ありません」という言葉をいただき、この学生さんはなんとも言えない気持ちになってしまったそうです。

 

ここまで聞いた時点では、「最後まできちんと誠実に対応して立派だったなあ。本当に仕方がなかった」と思っていたのですが、まだこの話には続きがありました。なんと、週明けにB側から、「許可しようと思っていたし、Aにも行ってほしかったのに、断ったと聞いてこちらも残念です」と言われてしまったそうです。すでに、Aに対して断わりを入れてしまった後だったので、ショックだったとのことでした。

 

できればこの時点でご相談いただければ良かったのですが、A側に行くには準備も必要で、その時点からでは間に合わないため、本人も腹をくくって諦めたそうです。

 

この話を聞いて、大学生というまだ大人になったばかりの方が人生の岐路に立っている時、可能な限り「二兎を追う」ことができるように、もっと理解があってもいいものなのにと思ってしまいました。今回のケースでは、B側に融通を利かせてもらうのは、例外的で特例の措置です。したがって、Bとしてもルールに基づき、この学生さんに予期に計らってくださったことは理解できます。しかし、この学生さんとB側に、「二兎を追う」ことへの温度差を感じざるを得ませんでした。この学生さんのやるせなさも、そんな温度差からきているのだと思います。

 

ただ、当のご本人は、Bで経験したことは、本当に大変だったけど自分にとってはいい経験で、結果的に、今、そのことに集中できて良かったと話してくださいました(その証拠に、Bでの体験談を、その後1時間ほど立ち話をして聞くことに…)。

 

この件に関しては、大学事務の方にも大変お世話になったので、2人でご挨拶とご報告に行きました。担当の方は、とても温かく見守ってくださっていて、またその学生さんの対応やこの一ヶ月ほどのこともすごく労ってくださって、何ともありがたかったです。

 

大学教育に関わる者として、大学生の人生相談に、あまり役に立てないこともありますが、今後も、「学生さんに応じられたら相談に乗る」ということを続けていきたいと思わせてもらった経験でした。